波比岐神
はひきのかみ
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- 波比岐神は大年神の御子神。
- 『古事記』によると、大年神と天知迦流美豆比売神が婚姻して以下の十人の御子神が生まれた。
奥津日子神、奥津比売命(大戸比売神)、大山咋神(山末之大主神・鳴鏑神)、庭津日神、阿須波神、波比岐神、香山戸臣神、羽山戸神、庭高津日神、大土神(土之御祖神)。
これらの神々は、竃や屋敷、庭、農地など、農業生活(稲作)のための神々だと思う。
- 波比岐神は這入君(はしき)、あるいは端引(はひ)きの意味で屋敷神と『古事記伝』では解釈している。
- 延喜式神名帳、宮中神の条に「座摩巫祭神五座」として、
「生井神(いくゐ)・福井神(さくゐ)・綱長井(つながゐ)神・波比砥(はひき)神・阿須波神」の五神の名を掲げている。
生井(いきいきした井)・福井(栄える井)・綱長井(生命の長い井)の三神は井の神。ハヒキは境界、アスハは基盤で、ともに屋敷神をさす。
これらを総合して、ヰカシリ(居処領)の神と言った。
「座」は「居処」、「摩」はシリの音転スリの宛字。つまり敷地の神で、注に「大宮地の神の霊」とある通りである。
最終更新日:2013/10/11
【 波比岐神:玄松子の祭神記 】