[HOME] > [神社記憶] > [甲信越地方] > |
|
御射山神社
みさやまじんじゃ
長野県諏訪郡富士見町原村
雪ちるや 穂屋の芒の 刈り残し
|
|
諏訪湖の南、13Km。高速諏訪南I.C.を降りてすぐ東。
富士見町と原村にまたがる林の中にある。
参拝は朝七時前。霧の林の中へ入っていくと、鳥居が出現。
なんとも神々しい場所にある。そんな印象。
このあたりは「神野(こうや)」と呼ばれ、諏訪明神の狩場だった。
古来、この地で行われる御狩の神事は全国的にも有名で、
諏訪信仰の広める一因でもあり、全国に見られる
御社山・御斎山・三才山などの地名は、ここから勧請されたもの。
雪ちるや穂屋の芒の刈り残し 芭蕉
武芸や競馬・相撲などの競技がおこなわれ、
上社大祝以下の神官の宿泊・参籠の場所として、
ススキで屋根を葺いた仮屋を「穂屋」と呼んだ。
御射山社祭の折りには、太陽・月・星を同時に拝すことができると云われ、
「穂屋野の三光」とされ、諏訪七不思議の一になっている。
拝殿内に本殿が2つ祀られている。
境内は広く、ハイキングコースあるいは公園のように使われているようだ。
境内社(石の小祠)がいくつか点在している。
境内 |
鳥居 | 拝殿 |
拝殿内の本殿2つ 諏訪明神と国常立神 | |
霧の中の境内社と穂屋 |
境内社 | 右にあるのが上社大祝の祖有員の墓所 |
境内 |
境内北奥の三輪社 | |
境内西端の西宮社 | 東端の浅間社 |
故宮地直一氏はその著『諏訪史』第二巻に、
山宮の本地たる虚空蔵仏の崇拝に起り、山宮を一社の大元とする意味の許に、之を大元尊と名ずけ、
大元尊神が真言神道より吉田神道にかけて国常立命とせらるるによって、遂に現在の社名(御射山社
の社殿内に二宇の社殿があり、一宇を国常立命社、他を諏訪社として併記されている)を生むに至った。
と述べて、虚空蔵菩薩を祀る国常立命社が本来の御射山に鎮まる山宮の神であるとの見解を示している。また風の祝御庵は、諏訪明神が古来、風を鎮める農業神・航海守護神として崇拝されてきたことと関 連があろう。要するにこの祭典は、諏訪上社の重要な御狩神事であるとともに、八ヶ岳山麓の山宮にお いて、諸国から参衆した大勢の民衆が御射山社において上社大祝の御手払いに直に従い、衆魔催伏・五 穀豊穣を祈念し、さらに諸芸能を観覧できる祭であったとも考えられる。 −『日本の神々 神社と聖地9』− |
【 諏訪大社上社 御射山神社(印刷用ページ) 】