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小松神社
こまつじんじゃ
高知県香美市物部町別役字宮ノ谷245
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式内社 土佐國香美郡 小松神社 |
高知のホテルから195号線を東へ41Kmで物部村(現香美市物部町)。
そこからさらに5Kmほど東へ進み、
奥物部岡の内で195号線からはずれ、狭い農道をひたすら登る。
6Kmほど走った別役に鳥居がある。
鳥居から長い階段を下ると境内がある。
境内の鳥居は南に向いており、社殿も南向き。
本来は南の山道を登って来るのが正しいようだ。
とにかく遠く、不便な場所にある。
ゆえに、木々は鬱蒼として、空気も輝いており、
社前を流れる小川も、手の切れそうなほど冷たく澄んでいる。
この清々しさは、言葉では表現できない。
境内の鳥居の前に二本の木があり、その間に船形の手水鉢がある。
創祀年代は不詳。
式内社・小松神社に比定される古社。
祭神は不詳だが、『平成祭データ』には天御中主神とある。
一説には、秦の功満(こま)王から出たとされる
小松氏の祖神を祀るとする説もある。
また、小松姓をもつ平家の落人が祀ったという説もあるが
平安時代の延喜式に載っている社なので、後世の付会だと思う。
長い階段をくだった境内にある社殿は、
非常にシンプルだが美しい。
社前の農道を東へ行くと剣山国定公園 |
農道にある鳥居 | 参道階段 | 鳥居前に二本の木と手水鉢 |
境内 |
社殿 | 社殿内の本殿 |
狛犬 | 境内奥の祭祀場 | 狛犬 |
農道の途中、車道を離れ、山道を下った所に、小松神社姥宮がある。
小松神社の御神体を背負ってやって来た老女を祀る社。
老女が立てかけた杖が、小松神社の松の木に成長したという。
姥宮 | 姥宮 |
林の中の道 | 姥宮 | 中に社殿 |
伝説につつまれているが、神体は社人も何処に
鎮座したか知らず、大工一人だけが知っており、柱の中に
安置してあったという。ストウ(現神社の東北)に御旅所が
あったが、昔神体を奉じて京より来村したとき、そこに奉
安して休んだところ、ここに松があり、その松にかたどっ
て松が茂るようになったという。また、一説にこのときに
杖をたてて、もし松が茂るようであれば小松の社として奉
祭することを誓ったところ、のちに松が繁茂したので小松
と名付けて祭ったという。地名・社名の伝説であるが、さ
らに『皆山集』には次の伝説を記してある。
傳曰、老女、神體を負て當村ニ来、須道ニ奉二鎮座一、
時日ヲ不レ移神飛テ光あり。光ヲ追テ見れハ谷岸ニ有二
神體一。則ここに奉二鎮座一、其老女の杖須道ニ立置く。
忽ニ葉を生出て松の木と成。今大木と、此松猶存す。
世稱して小松神社の松の木と云傳ふ。其老女を神ニ祭
る。則須道ノ姥神是也。姥神神体石須道座。此則神社を
負来りし老女の神霊と云。
−『式内社調査報告』− |
【 小松神社(印刷用ページ) 】