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「郷土を救った人々 −義人を祀る神社−」 関西地方編
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 昭和五十六年、神社新報社より発行された 「郷土を救った人びと―義人を祀る神社―」 という書籍がある。

 帯には、
激流渦まく水中に自ら人柱となって消えていった人々!
十年、十五年と独力山中の絶壁に水路を掘りつづけた人!
農民のため漁民のために、すすんで自らの生命を捧げた人々!
来年の種のためにと、餓死をしてまで籾を残していった人!
それらの人々に対する郷土の信仰は、この日本がつづくかぎり決して消えることがない。

そんな、郷土のため、人々のために犠牲になった人達、尽力した人達を祀る神社が地方にはある。
このページでは、「郷土を救った人びと―義人を祀る神社―」に載っている神社の要約などを中心に列記する。
近くを訪れた際には、一度足を運んでみたいという僕の願望のリストなのだ。

本ページは関西地方(京都府、奈良県、大阪府、兵庫県、滋賀県、和歌山県)のリストです


京都府
天満宮社末社 秋元神社 京都府京都市左京区八瀬秋元町
【秋元但馬守喬知命】
 宝永年間の創建。八瀬は寒村ゆえにこれといった生業もなく、南北朝以来、村民は皇室の雑役に従事していたが、 その代わり後醍醐天皇より年貢課税を免除され、人々は八瀬山林よりとった柴や黒木をかついで京の町で行商を行っていた。
 宝永四年(1707)、比叡山延暦寺と八瀬村民の間で境界争いが起こり、八瀬山林の境界が定められた結果、 山林の利用は大幅に削減され、全村の死活問題となった。村人は何度も幕府に訴えたが、延暦寺を庇護する幕府は容易に聞き入れてくれなかった。 最後に老中秋元但馬守喬知に愁訴したところ、秋元但馬守喬知は八瀬を巡視し、後醍醐天皇の綸旨の正当性を認め公平に採決、 以後、八瀬は皇室の御料地となり、境界問題は解決し、年貢も減免された。
 村民はこれに感謝し、天満宮の側に祠を建立して秋元但馬守喬知を祀った。
参考:「郷土を救った人びと―義人を祀る神社―」
奈良県
調査中
大阪府
調査中
兵庫県
置塩神社 兵庫県姫路市夢前町古知之庄
【滑甚兵衛命・塩田利兵衛命・又坂与次右衛門命】
 昭和三十年の創建。寛延年間、姫路藩内で起こった大一揆の首謀者として極刑に処された古知之庄の住人三柱を祀る。
寛延元年、九代将軍家重の就任祝いとして朝鮮国から使節が来朝し、姫路領の室津に寄港することとなったため、 幕府はその接待を姫路領主・松平明矩に命じた。藩財政に苦しんでいた姫路藩は、領内から金二万両の御用金を徴収し、領民たちを苦しめていた。
 その年の九月、猛台風が播州一帯を襲い、農作物は甚大な被害を被った。さらに十一月には領主松平明矩が急逝し、代わる藩主は幼いため所替は必定となり移封費用の捻出が必要となった。
 このような状態で十一月末の年貢の納期には厳しい取り立てが行われ、領内各地で一揆が発生。二か月にわたって約一万人の百姓が蜂起した。 大坂町奉行が一揆の鎮圧にのりだし、総計三百四十五人の領民が捕えられ、一年半余りの取調べの後、二人が磔、二人が獄門、三人が死罪となり、磔獄門の四名のうち三名が古知之庄近辺の百姓であった。
 極刑に処せられた滑甚兵衛と塩田利兵衛は、死後何年も墓が作られなかったが、村人たちは三十三回忌にあたる安永十年(1781)、経塚を作って霊を慰めた。 その百七十年後の昭和二十四年、滑甚兵衛と塩田利兵衛の二百年祭が行われたのを機に、昭和二十九年、置塩神社が建設された。
参考:「郷土を救った人びと―義人を祀る神社―」
滋賀県
迫神社境内 五社神社 滋賀県蒲生郡日野町迫1
【堀田豊前守正穀命・石川左近将監忠房命・柴田左文治勝友命・福田与市郎義勝命・正木藤左衛門茂章命】
 享和年間の創建。江戸時代、東海道の道筋に近かった上迫村では、農民を動員した伝馬助郷(街道行き来する諸大名の荷物を運搬する役)を命じられ、 農民の負担は大変過酷で、生活は困窮していた。この実情を知った領主・堀田豊前守正穀は、道中奉行石川左近将監忠房に具申し、 助郷役軽減を申し入れ、助郷七分の免除を得ることが出来た。村民はこれに感謝し、堀田豊前守正穀はじめ関係者五人の御霊を上迫字殿に祀り、 明治四十三年、迫神社境内に遷座した。
参考:「郷土を救った人びと―義人を祀る神社―」
耐軒霊社 滋賀県甲賀市水口町牛飼字城山
【耐軒城多薫命】
 昭和十五年(1940)の創建。耐軒城多薫が足柄県参事であった頃、二宮尊徳の報恩教を崇拝して郷土の殖産発展に尽力し、 荒無地を開墾して茶・桑などを栽培し、私財を投げ打って製茶・養蚕の業を奨励した。
 大正七年、旧北杣村の村民が相謀って北杣小学校校庭に顕彰碑を建立。逝去五十年にあたる昭和十五年、現在地に石祠を創建して耐軒霊社と称した。
参考:「郷土を救った人びと―義人を祀る神社―」
和歌山県
調査中


【 郷土を救った人々 −義人を祀る神社− 関西地方編 】

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資料
郷土を救った人々
−義人を祀る神社−
神社建築
鳥居
『鳥居の研究』
根岸栄隆著 分類
『鳥居考』
津村勇 分類
本地垂迹
神使
○○の神々
燈籠
路傍の神々
祝詞
神社合祀