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庚申 |
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庚申
こうしん
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こうしん
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- 『太平広記』に、「彭とは三屍の姓である。常に人身中にあってその人の犯す罪を伺察し、
庚申(かのえさる)の日ごとに天に昇って上帝に告げる。
それでこの夜、人は寝ずに三屍が上帝のところへ行かぬようまもるのである」とある。
- 人間の体内にいるとされる三屍(さんし、三尸)の虫が、庚申(かのえさる)の日の夜、人間が寝ている時に天に昇って、
その人間の罪科を報告する。その罪科の軽重によって人間の寿命が決められるという。
だから、自分達の罪科を報告されることを防ぐため、庚申の夜は寝ずに過ごすことを、庚申待、守庚申という。
- 三尸とは、三匹の虫。上尸は人の頭にいて、徐々に人の眼が見えないようにし、顔のしわをたるませ、髪の色を白くする。
中尸は腹にいて、五臓六腑を患わせる。下尸は足にいて、足を弱らせ、精を悩ます。
要するに老化の原因とされる虫。
- 人間の罪科は道教の天帝に報告されるが、仏教の帝釈天と結びついたものもある。
- 仏教の青面金剛法は、伝尸病(肺結核)を除く秘法とされているが、三尸との近似から、庚申と結びつき、庚申塔に青面金剛が刻まれる。
- また徹夜することから、夜明けを告げる鶏や日月なども庚申塔に刻まれる。
- 庚申の申(さる)から、山王の神使・三猿とも結びついた。
- 庚申の夜は慎み深く夜を過ごすことから、男女間の交合をさけるため、
三猿は、見ざる・言わざる・聞かざるの三猿だが、「庚申は、せざるを入れて四猿なり」という川柳もある。
- 庚申の申(さる)から、道の神・猿田彦神とも結びつき、さらに塞の神、道祖神とも結びついた。
【 庚申:玄松子の祭神記 】