茗荷の花を象ったもの。茗荷は、ショ
ウガ科の多年生草本。杏葉紋の形に酷似
しているところから、それを改めて茗荷
紋ができたといわれる。また、名称が
「冥加」と同じ発音であるため縁起がよ
いとされ、用いられたともいう。戦国期
以後、天台宗の摩多羅神の神紋として用
いられている。この紋を初めて用いたの
は、二宮氏といわれる。江戸特代になる
と、志摩の鳥羽氏、近江山下の稲垣氏ら
が家紋とした。旗本で家紋にしたものは
比較的多く、七十余家にのぼり、人気が
あった。
茗荷紋と杏葉紋の区別は、茗荷紋には
かならず葉脈があり、頭部に花をつけて
いるのが特長である。そのかわり、杏葉
紋に見られる下部の半円放射状をした花
蕊が、茗荷紋にはない。ただし、まれに
杏葉紋にも葉脈があるものもある。形状
では、対い茗荷、抱き茗荷、違い茗荷、
尻合わせ茗荷、追い茗荷、茗荷巴、花茗荷
などがよく知られている。
小沢氏(茗荷・抱き茗荷)、稲垣氏(茗荷
丸・黒餅内茗荷・茗荷・抱き茗荷)、失
田氏(六葉抱き茗荷)、石黒氏(露茗荷)、
生野氏(割茗荷)、糸川氏(角内抱き茗荷
)、坂川氏(七葉抱き茗荷)、川口氏(追
い茗荷)、中村氏(花茗荷)、他。
|
|