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小物忌神社
おものいみじんじゃ
山形県酒田市山楯字三之宮48
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式内社 出羽國飽海郡 小物忌神社 |
山形県酒田市にある。
砂越駅の東2Kmほどの三之宮、345号線の東そばに鎮座。
西向きに赤い鳥居と社号標が立ち、参道を東へ進むと境内。
境内の奥には、味のある夢草堂があるが、社殿は参道の左手。
つまり、社殿は南向き。階段を上った正面に鎮座している。
境内は、木々の茂った林の中。
寂寥感のある空間に、石畳の苔が古社の趣き。
緋毛氈でもひいて、お茶でも味わいたくなるような雰囲気。
薮蚊が多いのは仕方がないか。
社伝によれば、景行天皇の御代、武内宿禰の東国巡視の際に、
宮籍に録されたとする。
また、源義家の東国遠征の折り、
劣勢になった時に、部下の首藤主馬に大物忌・小物忌両社に祈願させ、
戦勝を得たともいう。
永生年間に兵火によって、御神体が焼失し、
台座のみを社地に安置したため、大座大明神とも呼ばれ、
三之宮に鎮座していたため三之宮大座明神ともよばれていた。
祭神は、風神である級長津彦命と級長津姫命だが、
大物忌神社祭神が大物忌神なので、それに対峙する当社も
小物忌神とするのが本当だろう。
ただし、大物忌祭神を広瀬神とする説があり、
大和では広瀬と龍田(水神と風神)を併せ祀る場合がある。
よって、大物忌(広瀬=水神)の対偶である小物忌も風神であると解釈できる。
明治11年に大物忌神社摂社となり、同35年に県社に昇格した。
近くに飛鳥神社があり、地名も飛鳥という。
山形には、当社の他にもう一社、小物忌神社が存在するが、
それは、鳥海山から西へ50Km、日本海に浮かび飛島に鎮座している。
あるいは、飛島が本社で、当地の小物忌神社はその陸宮にあたるのかもしれない。
神紋は巴紋だが、拝殿と本殿についていた紋の向きが正反対だった。
とりあえず、本殿に付いていた方向のものを採用したが、
方向は、重要な問題ではないのだろう。
一月と十月の酉の日から三日間、物忌祭が行われ、
氏子の方々は家業も休んで、慎んでいるという。
参道入口の鳥居 |
境内入口の鳥居 | 参道 | 参道 |
境内 |
拝殿 | 本殿 |
境内右手の夢草堂 | 脇に石仏が並んでいる |