つづきいし
岩手県遠野市綾織町上綾織山口

遠野市綾織町にある。
遠野から花巻へ向かう396号線の側に入口があり、数分登っていく。

綾織村山口の続石は、この頃学者のいうドルメンというものによく似ている。
二つ並んだ六尺ばかりの台石の上に、
幅が一間半、長さ五間もある大石が横に乗せられ、
その下を鳥居のように人が通り抜けて行くことができる。
武蔵坊弁慶の作ったものであるという。

昔弁慶がこの仕事をするために、いったんこの笠石を持って来て、
今の泣石という別の大岩の上に乗せた。
そうするとその泣石が、おれは位の高い石であるのに、
一生永代他の大石の下になるのは残念だといって、
一夜じゅう泣き明かした。
弁慶はそんなら他の石を台にしようと、
再びその石に足を掛けて持ち運んで、今の台石の上に置いた。
それゆえに続石の笠石には、弁慶の足形の窪みがある。

泣石という名もその時からついた。
今でも涙のように雫を垂らして、続石の脇に立っている。

−『遠野物語拾遺 第十一話』より−

遠野三山・石上山の南麓にあり、字名は山口なので、
石上山への登り口であり、石上山の遥拝所として
山神を祀っているのだろう。
その祠の前に、2mほどの2つの巨石の上に、
7mの笠石を載せた鳥居状のドルメン。
実際は、笠石は祠に向かって左側の大石の上にだけ載っている。
鳥居状なので、もちろん人間が立ったまま歩いて通ることもできる。

『遠野物語』第九十一話には、この続石の奥で、
鳥御前と呼ばれていた鷹匠が、赤顔の男女と遭遇。
いたずらに刃物を抜いたところ、赤顔の男に蹴り飛ばされ、失神した。
山神の遊び場を汚したとされて、その祟りでその後死んだという話が載っている。

夕べの雨が上がった朝。杉林全体が湿り気を帯びて、
濃厚な森の匂いが充満した状態。



続石
小高い杉林のなかに、古代巨石文化がのこし たものといわれている大きな石があります。 二つならんだ石の一方の上に、幅7メートル、 奥行5メートル、厚さ2メートルほどの巨石 が笠石としてのっています。
弁慶がそばの石に笠石をのせたら、位の高い 石なのに大石の下になるとは残念と嘆いたの で、いまの石の上におきかえたという話を、 『遠野物語拾遺』第11話が伝えています。

−案内板より−