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布久漏神社
ふくろじんじゃ
福井県坂井市丸岡町北横地14−29,30
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福井県坂井市にある。
春江駅の東2Kmほどの丸岡町北横地に鎮座。
30号線の東側、郵便局の向かいに境内入口があり、入口は北向き。
周囲には十郷用水が流れている。
北東から南西に、斜めに走る道路に沿って、
南北の境内なので、境内は細長い形状。
よって、鳥居をくぐった境内は、懐が深い印象なのだが、
境内の木々は整理されているので、
鬱蒼とした杜という感じではない。
資料によると、社号の布久漏は「ふくろ」と読むようだが、
『平成祭データ』には「ふくもり」と記されている。
参道を進むと正面に拝殿、後方に流造の本殿が立っている。
創祀年代は不詳。
社伝によると、
継体天皇が当国に居られた頃、
二十一柱の皇子のうち、九番目の皇女・円媛命が
当地に住んでおられ、十郷用水の礎を築くなど、
当地開拓に尽力した。
この円媛命は、応神天皇の六世孫であったため、
祖神として当地に祀ったのが、当社の起源。
皇女は、当地で崩御され、
当社の近くに葬られたと伝えられているが、
現在、その場所は不明となっている。
当社の特殊神事に、表児の米というものがあるらしい。
九月十四日の宵、村の若者十数名が褌姿で公民館に集まり、
太鼓の囃子に合わせ歌いながら肩を組み輪になって押し合いをする。
続いて初穂米を臼に入れ、『今搗くお米は、百姓の涙米…』
などの歌にあわせて米を搗き、蒸して神前に供える。
残った米を団子状(表児の米)に丸め、箕のでまく。
翌朝には、「マスヤマスヤ」と呼びながら村中に配るという。
この神事の由緒は、以下の3種類があるという。
1.昔、神に娘を人身御供としていた頃の名残。
犠牲になった娘の名を「ます」といい、
そこから「マスヤマスヤ」の呼び声となった。
2.円媛命の命日の祭。
3.朝倉氏の祖である、孝徳天皇の皇子・表米親王の祭。
社殿の屋根に、三つ巴の紋。
祭神から類推すると、八幡系の神社なので、
この巴紋が神紋だろう。
境内の左手に、西向きの境内社が一つ。
社殿の前に、石の祠が一つ。
社頭 |
境内 | 境内 |
境内 |
拝殿 | 本殿 |
本殿後方から |
境内左の境内社 | 拝殿前の石祠 |
表児(ひょうこ)の米
布久漏(ふくろう)は北横地の古名である。神社には、品陀和気尊(応神天皇)と
気長足姫尊(神功皇后)をまつる。この神事の起源については、継体天皇の皇女円弥媛の用水に対する 尽力に感謝し、賽米を集めた事に始まる等、いくつかの伝説がある。 九月十四日の宵、村の若者十数名が褌姿で公民館に集まり、太鼓の はやしに合わせ歌いながら肩を組み輪になって押し合いをする。この 行事を『おたしより』という。続いて米搗きが始まる。初穂米を臼に 入れ、『今搗くお米は、百姓の涙米…』などの歌にあわせて搗き上げ とぎ、「セイロ」で蒸し神前に供える。残りは団子状に丸め(これを 表児の米という)参詣の人に箕でまく。 十五日未明、若者たちは表児の米を箕に入れ、『マスヤ、マスヤ』 と呼びながら村中を廻る。各家では一升ますを持出しこれを受ける。 −社前案内板より− 布久漏神社由緒
−境内案内板より− |