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甘南備神社
かんなびじんじゃ
広島県府中市出口町745

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式内社 備後國葦田郡 賀武奈備神社 |
広島県府中市にある。
JR府中駅から北西に2Kmほど。
府中から木野山へ向かう388号線の側に鳥居があり、
そばには小川が流れ、北西へまっすぐに参道が延びる。
三室山公園の麓に鎮座している。
ちなみに、各地の神奈備山は、
三諸山、三室山と呼ばれる場合が多い。
創建は和銅元年(708)。悪疫の流行に対し、
佐伯宿祢麿が、出雲・美保大神の分霊を当地に勧請。
相殿の龍王神は、養老7年の旱魃の際、
藤尾村の龍王神が、国府の一賤女に託宣し、
「吾前を三室山の甘南備神社に合せ祀らば旱災を除くべし」
ということで、相殿に祀られた。
ということだが、『西備名区』には、
旱魃の時期は、天平宝字7年とあるらしい。
神社後方三室山の山頂付近には、末社の天壷神社が鎮座し、
周囲には、巨岩の磐座や滝壺などがあるらしい。
暑かったので、登らなかったが。
鳥居からまっすぐに延びた参道の後方に神奈備・三室山。
参道は、少し狭いが、昔の風情を感じる。
階段途中に、「黄金の鳥の鳴く所」と書かれた場所があり、
拍手を打つと、反響して澄んだ音が木霊する。面白い。
拝殿は立派で大きく、後方の高い場所に朱塗の本殿がある。
参道の鳥居 ![]() | 参道 ![]() | 黄金の鳥が鳴く所 ![]() |
神門 ![]() | 拝殿 ![]() |
社殿 |
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拝殿 ![]() | 本殿 ![]() |
境内左手に稲荷社 ![]() | 神楽殿 ![]() |
参道を戻る |
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境内には多くの祠が祀られている。
稲荷・中風・藪・木野山・春日・天目一筒・荒・太子・竜王
稲荷神社 ![]() | 玉守稲荷神社 ![]() | 中風神社 ![]() |
藪神社 ![]() | 木野山神社と春日神社 ![]() | 天目一筒神社 ![]() |
荒神社 ![]() | 太子神社 ![]() | 竜王神社 ![]() |
甘奈備(かんなび)神社
和銅元年(七〇八)、備後国に悪疫流行の際、時の国司佐伯宿祢麻呂は平素崇敬の出
雲国美保の大神を三室山に勧請し、御祈祷申し上げた処、悪疫退散し、それを喜び
大己貴神(大国主神)と少彦名神を合せ祀りて感謝報恩の誠を捧げ尽した。以来、霊験
顕著にして、天平宝字四年(七六〇)の悪疫流行の際には国司甘南備真人伊香が大神
に祈請し霊験あり、従五位上に叙せられたという。貞観九年(八六七)四月、正五位
下に進み、元慶二年(八七八)十一月、正五位上に進まれた。また『延喜式』神名帳
に列した式内社であり、明治五年に郷社、昭和三年に県社に列した。本殿は創建以来
度々改築され、現在のものは宝永三年(一七〇六)の造営になる。大正十三年に拝殿
再建、その後社殿の整備が進み、昭和三十三年には御鎮座千二百五十年大祭記念事業
として宝物館、三室会館を新築した。なお、永禄元年(一五五八)の旱魃の時にも霊
験があり、毛利元就は田一町余を寄進したが、福島正則により没収されたという。
−『平成祭データCD』− |
【 甘南備神社 】
