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白根神社
しらねじんじゃ
群馬県吾妻郡草津町草津538
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旧郷社 |
草津温泉で有名な群馬県の草津町にある。
温泉街の中心にある湯畑から少し北へ入った場所に参道の入口。
階段の途中には「郷社白根神社」と刻まれた社号標が立っている。
階段を上り鳥居をくぐって右へ進むと手水舎がある。
参拝は11月の初旬。早朝、夜明けの頃。
硫黄の香りに満ちた草津温泉全体が、紅葉に色づいて美しかったが、
境内参道の木々も紅葉し、そこに朝日が射し込んで、
とても美しい境内だった。
参道の途中に昔の鳥居の礎石らしきものが両脇にあり
右の礎石の上にはカエルの置物が置かれていた。
そのカエルの周りを誰かがモミジの葉で飾っていた。
風が吹けば無くなってしまうものだけど、なぜか心が和む。
参道を進むと「白根大明神」と書かれた扁額のある鳥居があり、
鳥居をくぐると社殿のある境内。
入母屋造の拝殿の後方に本殿がある。
本殿は、資料によると神明造らしいので、
たぶん、覆屋の中にあるのだろう。
創祀年代は不詳。
『上野国神名帳』に吾妻郡十二社の「従一位 白根明神」とある古社。
火山である白根山を祀る神社で、もとは白根山上に鎮座しており、
草津温泉入口(運動茶屋公園付近)には遥拝所があったが、
明治六年、郷社に列格した際に、
温泉街を見下ろす囲山と呼ばれる現在地に社殿を建立した。
拝殿は明治十五年に新築され、昭和三十二年に改築した。
『明治神社誌料』によると、
右大将頼朝公が建文{原文ママ}四年八月三日、
信州三原で狩りをし、白根明神の鳥居の前に来た時、
硫黄の臭気と湯けむりを見つけ、
住人・御殿助に命じて、草を刈らせ掘ってみると温泉が湧き出した。
これは病に効能があると考え、怪我をしていた足利駒王丸に試させると、
七日間で平癒したので、右大将自信も入浴し、
これは無双の温泉であると宣言し、その地を御殿助に給わったとか。
当社には、『上野国神名帳』の「従二位 小白根明神」も合祀されている。
小白根明神は、写本によっては従一位とも記されており、
いずれにしろ吾妻郡では上位にある神社で、小白根に鎮座していたようだ。
一説には小白根は古白根で、白根神社の古社地に祀られた神であるとも。
『上野国神名帳の研究』では、白根古社地は武具脱池の東麓にあるらしい。
『明治神社誌料』によると
白根神社が鎮座していた白根山山頂周辺を大白根、奥白根と呼び、
小白根は前白根と呼んで、草津より一里で小白根、
さらに三里で奥白根に至るとある。
本殿の右手に境内社らしき祠が一つ。
参道左手奥には諏訪大社上社草津白根分社がある。
境内の左手から後方にかけてシャクナゲが群生しており
幾筋かの歩道があって散策できる。
当社境内はシャクナゲの名所のようで、春になったらまた来てみたい。
そのシャクナゲの中に、草津鷲湯碑や芭蕉句碑などの石碑がある。
草津鷲湯碑は、明治三十七年湯治客によって建てられたもの。
傷ついた鷲によって発見されたという、草津で最も古い共同浴場
鷲乃湯の由来などが記されている。
芭蕉句碑には、「夏の夜や谺にあくる下駄の音」。
参道入口 | 階段上の鳥居 |
境内入口 |
参道 | カエルの置物 |
鳥居 | 社殿 |
境内 |
本殿 | 拝殿 |
境内左手の諏訪神社 | 本殿右手の境内社 |
境内左手には多くのシャクナゲ |
草津鷲湯碑 | 芭蕉句碑 |
草津温泉から292号線を西へ14Kmほど進むとレストハウスに到着。
途中の車道には「駐停車禁止」の看板が立っており、
運転していても硫黄の臭いがする。白根山は活火山なのだ。
レストハウスから少し歩くと、湯釜を見ることができる。
レストハウスから湯釜への道は幾つかあるようだが、
当日は西側以外は立ち入り禁止。(立ち入っている観光客もいるようだが)
西側の石の道を上って行くと避難小屋があり、その先で湯釜を展望する。
また、展望所から西には白根山の山頂が見え、山頂に小さな石祠がある。
展望所から東に湯釜 |
展望所から西に白根山、山頂に石祠がある |
湯釜は白根山頂の火口湖で、直径300m、水深30m。
エメラルドグリーンというか緑茶にミルクを入れたような湖。
湯釜の周りには、白根山(2160m)、逢の峰(2110m)、
本白根山(2171m)などの頂があるのだが、
白根神社はどこにあったのだろうか、などと考えながら、
レストハウスの周りを歩いてみた。
レストハウスから東へ白根山麓遊歩道が延びており
歩いて行くと、なだらかな道の先に大きな岩が幾つかあって
鳥居と石祠がある。どうやらこれが白根神社の奥宮らしい。
遊歩道からは、なだらかな丘に見えたが、登ってみると東側(草津側)は急峻で、
しかも強風が吹きあげて来て、帽子が吹き飛ばされそうになった。
白根山麓遊歩道の先の頂にも鳥居と石祠 |
白根神社が明治になって現在地に遷る以前に鎮座していたという、
運動茶屋公園に行ってみた。
美しい紅葉の公園で、小学校が隣りにある。
運動茶屋公園の中には、皇大神宮が祀られていた。
白根神社が鎮座していた名残りだろうか、それとも関係社だろうか。
皇大神宮の前には、宝篋印庚申塔。
明和六年(1769)に建立されたもので、
草津温泉入口の追分にあったものを移設したらしい。
運動茶屋公園 |
宝篋印庚申塔 | 皇大神宮 |