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愛宕神社
あたごじんじゃ
茨城県笠間市泉101
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旧郷社 |
茨城県笠間市にある。
岩間駅の西3Kmほどの愛宕山(305m)山頂に鎮座。
山頂へ向かう車道の脇、
愛宕山中腹に当社の鳥居が立っている。
山頂近くに大きな駐車場があり、そこにも当社の大鳥居が建っているが、
正式な参道入口は、その駐車場より200mほど下った場所。
その参道入口(南側)からは、急な階段の参道。
鳥居脇には軍陀利明王堂があり、階段途中には百石段不動が祀られている。
駐車場側(西側)からは、緩やかな階段の参道。
入口横には、愛嬌のある餅つき道祖神。
駐車場から愛宕山山頂を北へ回り込んで車道を進むと、
当社境内に到着する(らしい)。
ということで、南側の急な階段参道から参拝を開始。
階段脇には「日本火防三山の一 愛宕神社」と刻まれた社号標があり
火防の神として霊験のある神社のようだ。
急な階段を上ると、社殿のある広い境内。
当地では有名な神社のようで、参拝客が何人か。
社殿は、入母屋造の大きな拝殿と
その後方に流造の本殿。本殿には入母屋造の屋根が設置されていた。
本殿の後方に階段があり、
階段上には愛宕神社の奥社・飯綱神社が鎮座。
手力男命を祀る飯綱神社の本殿は、精銅造の六角堂。
戦後の混乱期に破壊されたが修築され、
苔むした自然石の上にあり、厳かな雰囲気の場所だ。
六角堂の後方には、愛宕山を守護した十三人の天狗の石祠が並んでおり、
その石祠も苔むして、こちらも良い雰囲気。
また、境内には愛宕山を開いた徳一大師の宝塔もある。
愛宕山は密教系修験道の霊山。
大同元年、筑波山知足院の開基徳一大師の創建といい、
社伝によると、大同元年(806)八月二十三日の創祀。
あるいは、大同元年正月二十四日とも。
中世、宍戸氏の崇敬を受け、
江戸時代には幕府より朱印地三石が与えられた。
『式内社調査報告』によると、
明治五年四月一日、村社に列したとあるが、
『神社名鑑』では、旧郷社と記されている。
式内社・夷針神社に関して、
当社鎮座地の「泉」は「夷針」の転訛と考え、
当社奥社の飯綱神社を式内社・夷針神社とする説もある。
境内案内では、飯綱神社祭神は手力男命となっているが
資料によると、奥津日子神と奥津比売神となっている。
当社の神紋は、三巴紋と天狗団扇紋。
三巴は、水巴とも考えられ、防火の印。
天狗団扇は、天狗の守護した神社だからだろうか。
飯綱神社の左側に、境内社・松尾神社。
右側には、境内社・龍神社。
さらに阿夫利神社や出雲神社などがあるが
出雲神社は撮影し忘れた。
各社の前には「悪態祭巡拝路」と書かれた案内板があり
巡拝順を示す番号が付けられている。
たとえば、「7 軍陀利明王堂」「8 百石段不動」とあり
「10 飯綱神社」「11 松尾神社」「14 竜神社」「16 阿夫利神社」など。
帰宅後に写真の整理をしていて気付いたのだが、
上に記載した境内社の他にも巡拝対象があるのだろう。
参拝した時に気付いていれば、
すべて巡拝したのに、残念だ。
愛宕山中腹にある鳥居 |
山頂下にある参道入口 | 鳥居と軍陀利明王堂 |
参道の急な階段 | 百石段不動 |
山頂駐車場の鳥居 |
駐車場側入口 | 参道 |
社殿 |
本殿 | 拝殿 |
本殿後方の階段 | 階段上に飯綱神社 |
飯綱神社六角堂と背後に並ぶ天狗祠 |
松尾神社 | 龍神社 |
阿夫利神社 | 徳一大師宝塔 |
愛宕神社由来記 愛宕神社は、日本火防三山の一たる、常陸国岩間町泉愛宕山頂に鎮座し、御祭神は伊邪丹大神、火具土命、火結命、水波女命、埴山比売命の五柱の大神を祀る。人皇五十一代平城天皇大同元年八月二十三日の創建にして歴代皇室の尊崇殊の外厚く徳川幕府に御朱印地三石を献せられ、宍戸四郎氏朝以来代々供田料を献納また土浦の藩主土屋但馬守数直は本社を特に祈願所と定め毎年供進使を遣わして幣帛料を献せらるる等、近隣近国の藩主の崇敬厚く特に火防の主神として神威赫々霊驗顕著なるを以て県内は勿論近県よりの、参詣する崇敬者夥しく四季絶える事がありません。 愛宕神社は、桜で有名な愛宕山(標高305m)山頂にあり、日本三大火防神社の一つとして知られています。又、裏手にも多くの神社があり、特に飯綱神社の奇祭「悪態祭」が有名です。 −『平成祭データ』− 御案内 此の石段を登り詰めた処に愛宕神社の奥社飯綱神社即ち夷針神社鎮座し、 其の御祭神は手力雄命又奥の御本殿は菊花紋をつけ精銅造の 六角堂があり台座は自然石で造られ亀甲の形は美事な芸術的 魅力を感じます。西に松尾神社又芭蕉の句碑あり句文の一葉の自生 も見られ、東に水の神、龍神社が祀られ巴川の水元から泉地名の紀元と思われる。愛宕山を 守護し神徳の発揚に寄与した十三人の天狗の祠があり関東三大奇祭として悪態祭は広く知られる。 −境内案内板より− |