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石船神社
いしふねじんじゃ
茨城県東茨城郡城里町大字岩船字宮山606
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式内社 常陸國那賀郡 石船神社 |
茨城県城里町(旧桂村)にある。
城里町桂支所から西へ、123号線を越えて2Kmほどの岩船にある。
参道入口の鳥居から参道がつづく。
参道の灯篭は石の上にある。参道脇には巨石も垣内に祀られ、
「石」を祀っている神社であることが、ヒシヒシと伝わってくる。
参道を少し歩くと、小川に掛かる橋がある。
小川は、境内の左奥から右手に流れている清流で岩船川と呼ぶ。
橋の正面に拝殿があり、本殿のない神社。
拝殿後方に瑞垣に囲まれた巨石。
これが御神体の石だが、瑞垣のせいで全体を見るのは難しいし、
草で覆われて形も不明。
垣の隙間からみると、上部が少し窪んでいるようにも見えるが、
ズングリとした餅のような形。
創祀年代は不詳。
祭神は、鳥之石楠船神(別名、天鳥船神)。
古事記・国譲りの話で、建御雷神とともに降臨した神。
祈雨の神でもあり、航空の神でもある。
社名は、通常「イワフネ」と呼ぶのだと思うが、
平成祭データには「イシフネ」とあった。
境内の左側、岩船川に小石が40数個あり、
小船形をしていることから石船と称するようになった、
ということだが、どれが船だかわからなかった。
拝殿のそばにも大きく平たい石がある。
僕には、これこそが舟形石に見えるが、祀られている様子ではない。
参道入口の鳥居 | 参道の灯篭 | 岩船川 |
境内 |
石橋 | 境内 |
拝殿 |
垣の中に苔むした大石 |
拝殿後方に瑞垣 | 大石の後方には小祠 |
拝殿傍らに舟形の石 |
参道の大石 |
【由緒】創祀の年代は不詳である。記紀神話によると、
當社の祭神である鳥石楠船神は、建御雷神に副て天降りな
され、大功をたてられたといふことが述べられてゐる。そ
こで、建御雷神を奉齋する鹿鳥神宮のある同じ郷内に、當
杜が祭られた、といふことが『新編常陸國誌』に見える。 「此神(○鳥石楠船神)亦名ヲ天鳥船神ト云フ、上古 建御雷神出雲ニ降リ玉フ時、此神ヲ副テ遣サレキ、コ ヽニ建御雷神、天租ノ大命ヲ陳テ、大國主神ニ此國ヲ 避ケ奉ランヤ否ヲ問ヒシニ、僕ハ得白サジ、我子八重 事代主神白スベキヲ、鳥ノ遊ビ漁リシニ御大ノ前ニ至 リテ、未ダ還リ來ズト云リ、故レ天鳥船神ヲ遣ハシ テ、事代主神ヲ徴シ來テ問ハシ賜フ時二、即此國ヲ天 神ノ御子ニ獻リキ〔日本紀、古事記〕、カク建御雷神 ニ副奉リテ、大キナル功ヲ建シ神ナレバ、鹿島神ニ由 縁アル鹿島郷内〔本村ハコノ郷内ナリ〕ニ祭ラレシモ ノナルベシ〔延喜式、和名鈔大意〕、」 次に神體石ならびに社名の由來について、『常陛國二十 八杜考』には、左のやうに見える。 祠傍有二一大石一、形如レ船、長一丈八尺餘、廣一許丈、 前有二清流一、呼爲二岩船川一、水中有二小石一凡四十有餘、 咸成二小船形一、恰若二人造一、要又非二人力所一就也、故祠 有二石船之稱一也、村亦因レ祠爲レ名、 祠の傍に船のやうな形をした大きな石(長さ一丈八尺 餘、廣さ一丈詐)があり、その前に清流があつて岩船川と 呼ぶ。川中には小石が四十餘個あり、これが小船形をして ゐるところから、石船の稱があるのだといふ。こゝに述べ られてゐる大きな石といふのは、俗に黒御影と呼ぱれる花 崗岩で、これが御神體として祀られてをり、本殿はこの石 を瑞垣で圍んでゐるのである。岩船川は小川のやうな清流 が、こんにちも神社の右側(向つて左)から社前を横切つ て流れてゐる。 −『式内社調査報告』− |
【 石船神社 (城里町) 】