いせみこと
島根県隠岐郡隠岐の島町久見宮川原375

式内社 隠岐國隠地郡 伊勢命神社(名神大)
旧郷社

伊勢命
『明治神社誌料』には、「御神体は鏡」とある。

隠岐島島後の北端、旧五箇村にある。
伊勢神宮とは関係ないが、「内宮」ともよばれる。

神紋は『式内社調査報告』では、五三の桐とあるが、境内には五七の桐があった。
久見村の入口にあり、社前の道路は拡張中だった。災害時の避難地にもなっている。

名神大社なのに、旧郷社なのだ。さびしい。

隠岐では、「神光」の伝説が幾つか有る。
ここ伊勢命神社、比奈麻治比賣命神社、焼火神社など。
どれも、光の玉が出現し、漂流者を導き、あるいは災いとする。

新潟の、旦飯野神社では、宮司に「天灯」という名で同様の伝承を聞いた。
光り輝く玉が出現し、佐渡から後を追ってみると、旦飯野神社へ降臨したということ。

新羅の天之日矛は、赤い玉から生れた阿加流比売を追って日本へ来た。

蜃気楼が見えるように、日本海側では、そのような光の玉が出現する自然現象があったのだろうか。
面白い。

隠岐の山は、円錐形・御碗型が多いので、どの山も神奈備に見えるが、
実際はそういう感じではないようだ。
やはり、朝鮮との関係や海に関する伝承が多いせいか。
祭神の伊勢命も、朝鮮からの移住者の祖神。

早朝の参拝で、木々がまだ水を含み、瑞々しい。
本殿もどっしりとしており、凛とした空気を感じた。


 社家の記録に「當社最初の御鎮座地は久見港を距る約五 町許り西南方に位する字假屋の地にして、この地を特に宮 地と選定したるに付ては、古老傳説あり。則ち伊勢族移住 の初に當りては神社の設けなかりし如し。然るに一夜神光 海上より輝き來りて假屋の地に止りしが、その降臨夜々出 現止まざりしに、偶伊勢族の一人神託を蒙りしを以て、假 に一小祠を建て伊勢明神を奉齊せしより、神火の出現甫め て止たりと云ふ。之實に伊勢族が祖神を勧請して冥護を祈 りし神話を傳へたるものなり」と説いてゐる。

−『式内社調査報告』−