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秋葉山本宮 秋葉神社 上社
あきはさんほんぐう あきはじんじゃ かみしゃ
静岡県浜松市天竜区春野町領家841
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式外社 岐氣保神 三代実録 |
春野町と龍山町の境界、赤石山脈の南端、
標高868mの秋葉山山頂に鎮座している。
天竜川に沿って走る152号線から5Kmほど林道を登る。
林道の脇には大きな鳥居の立つ、広い駐車場がある。
駐車場から新しい階段の参道を登ると、社殿前に到着。
参道脇には、巨木の茂る森。
そして、雲におおわれた風景が広がっており、
社殿前には、金色に光る鳥居が、陽を受けて眩しく光る。
参拝日はあいにくの曇り空。
青い空は見えなかったのが残念。
秋葉山の南東麓、気田川の側には、下社があり、
山頂の当社は、上社。
両社をあわせて「秋葉山本宮秋葉神社」と呼ぶ。
全国の秋葉神社の総本山である。
創始年代は不詳。
社伝によれば、和銅二年(709)社殿を創建という。
また「秋葉山縁起」によれば、養老二年(718)、
行基によって秋葉山が開山されたという。
「三代実録」貞観十六年(874)五月十日の条にある、
「岐陛保神ノ社」が当社に比定され、
「岐陛(きへ)」は、秋葉の古語であるという説がある。
また、「保ノ神」は火ノ神であるともいわれ、
秋葉山は「火防」に霊験があると考えられている。
明治の神仏分離以前は、秋葉山には、
秋葉大権現とよばれた当社と、大登山秋葉寺が並存し、
秋葉信仰の中心であった。
「秋葉寺縁起」によれば、秋葉山の守護神は
三尺坊大権現と呼ばれ、観音菩薩の垂迹として
信州に生まれ、越後国蔵王堂の三尺坊で修行して、
飛行自在の神通力により、白狐に乗って秋葉山へ飛来した。
また、三尺坊は三尺しかない小人であったとする伝承もある。
背の低い人=低人(ヒキヒト)が、水神である蟇と重なり、
火を防ぐ神となったとも考えられる。
小人と蟇蛙との関連は、「古事記」に、
小人神である少彦名神の出現シーンに登場する「タニグク」にも見られること。
秋葉山の北方に、標高1351.6mの竜頭山があり、
神仏習合時代には、奥の院として不動明王が祀られていた。
この竜頭山は、本来、「竜燈山」であり、
聖なる火を焚いて、海の竜神へ捧げた地であると言われている。
これも、秋葉と火防の繋がりを示すものである。
境内社には、
祓戸社、内宮社、外宮社、
天神社、水神社、山姥社、小國社、風神社、白山社、山神社などがある。
他にも、安産石社などがあり、また、機織井の側に祠があるらしい。
秋葉山駐車場の鳥居 | 金鳥居 | 境内から |
境内 |
拝殿 | 社殿 |
本殿 |
祓戸、内宮、外宮 | 天神、水神、山姥、小國 風神、白山、山神 |
駐車場横のスーパー林道を真っ直ぐ北上すると、
竜頭山山頂に到達する。
この道が、なかなか走りやすい道で、
個人的には、152号線よりも走りやすい。
ただし、カーブミラーが少なく、落石が非常に多いので、
走行には注意が必要。
スーパー林道をさらに北上すると、山犬信仰の神社、
式内・山住神社に到着する。
152号線からみた竜頭山 |
正一位秋葉神社略縁起
秋葉山は、赤石山脈の遠州平野に突出した最南端で天竜川の上流に位置し、山頂に秋葉山本宮秋葉神社を祀る。 上古より神様の鎮ります御神体山として崇敬され、初めて御社殿が建ったのは和銅二年(西暦七〇九年)元明天皇の御製によるものとつたえられる。 「あなたふと秋葉の山にまし坐せるこの日の本の火防ぎの神」御社号は、上古は「岐陛保神ノ社」(岐陛は秋葉の古語)と申し上げたが、中世両部神道の影響を受けて「秋葉大権現」と称し、明治初年教部省の達で権現の号を改め「秋葉神社」となったが、昭和二十七年全国の秋葉神社の総本宮であるところから「秋葉山本宮秋葉神社」と改称した。 御祭神は火之迦具土大神と申し上げ、伊弉諾、伊弉冉二柱の神の御子で火の主宰神である。 火の光は時間的、空間的に人間の活動の範囲を拡め、その熱は人間に冬の寒さをも克服させ、食生活を豊かにし、そのエネルギーは工業・科学の源となると共に、その威力は総ての罪穢を払い去るのである。光と熱と強いエネルギーを与えられたこの神は、文化科学の生みの親として畏敬され、崇ばれてきたのである。 御神徳は火の幸を恵み悪火を鎮め、緒厄緒病を祓い除く火防開運の神として、火災消除・家内安全・厄除開運・商売繁昌・工業発展の御霊験あらたかなるものとして、全国津々浦々から信仰されている。 御霊験は奈良朝以来、シバシバ顕れ、御神威は海内に行きわたり、朝廷の御信仰篤く正一位の宣旨を賜って、正一位秋葉神社と申し上げる。 世に名高い秋葉の火まつりは、十二月十五日・十六日両日執り行われる。 特に十二月十六日夜半の防火祭には、秘伝の弓・剣・火の三舞の神事が古式豊かに壮厳華麗に繰り広げられる。四月二十一日春祭鳴弦式、十二月十五日御阿礼祭等古社にふさわしい特殊神事が執り行われる。 御社頭は、山頂の上社と山麓の下社とある。下社は、若鮎跳る気田川の清流に臨む山麓坂下(国道362号線)にあって、バスを下車して約百米で社頭に額づくことが出来る。 上社は、天竜川畔雲名・秋葉ダム(国道152号線)から夫々登山自動車道に沿って約二十分で山頂駐車場に達する。 神域には老杉がうっ蒼と繁り、御本殿は昭和六十一年十月に遷座され、建坪百三十坪、総桧の入母屋流れ造りである。 御神宝には重要文化財「安綱」「弘次」「来國光」を始め数十余振りの御神刀(刀剣)が源頼義・今川仲秋・武田信玄・豊臣秀吉・加藤清正等の武将より奉納され現存している。 −『平成祭データ』− |