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神神社
みわじんじゃ
静岡県藤枝市岡部町三輪字杉本1290
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式内社 駿河國益頭郡 神神社 |
静岡県藤枝市(旧岡部町)にある。
岡部町の南部、焼津市に近く、
焼津駅から北西4Kmの三輪に鎮座。
朝比奈川に沿って高草街道を北西に進み、岡部町に入った辺りで
少し南へはいると、道の側に南向きの境内がある。
境内入口の右手に、駐車場があるのでそこに車を停めて参拝開始。
社殿の中では、なにやら祈祷の最中のようで、
邪魔にならぬよう、音を立てずに柏手を打った。
入口の鳥居の奥が拝殿。
境内は右手が広場のように空いている。
拝殿の後方、石垣の上に本殿が鎮座しているが、
本殿の右手に、白木の三ツ鳥居がある。
本来、当社には本殿はなく、
この三ツ鳥居の奥の岩境が祭祀対象であったという。
今でも、例祭などでは本殿と同じ扱いで祀られる。
岩境が見たくて階段を登ってみたが、
本殿や三ツ鳥居は垣の奥にあり、そこから先は「立入禁止」らしい。
階段の先には、小さな祠らしきものがあるが。
美和天神とも称され、
『駿河国神名帳』には、三輪明神と記載されている古社。
皇極天皇の御代、東国に疫病が蔓延した時、
崇神天皇が大神神社を祀った吉例にならい、
三年四月中の牛日に疫病鎮護のため、
太田多根古命二十六代孫の三輪四位をして
大神神社の御分霊をこの地に奉斎したのが始まり。
ということで、当社は高草山(501m)を
神奈備山として祭祀していると考えられる。
拝殿・現在の本殿の延長線上には高草山は存在しないが、
拝殿・三ツ鳥居・岩境の延長戦上に高草山があるという。
当社の例祭では、五対の御幣(おんべいと読むらしい)を立て、
昔は山に入って、「三石三斗三升三合」と唱えつつ、
白おこわを撒き散らしたという。
「三」に拘っていて、面白い。
また、端午の節句(六月五日)には、
雷除けの粽(ちまき)が供えられる。
昔、境内に雷が落ちた時、祭神が怒って
本殿裏手の井戸に、雷を閉じ込めたところ、
雷は反省し、今後は決して
ここには落ちないと誓ったので許されたという。
よって、この粽を家に吊るすと、雷が落ちないという。
社殿の屋根には、三輪の紋が付けられていた。
社号の神(=三輪)から付けられたものだと思うが、
ここも「三」に拘っているようで、興味深い。
境内社として、小さな祠が祀られていたが、詳細は不明。
『平成祭データ』には、以下の社名が記されている。
杉之坊社(靈木高比古神・靈木高比賣神)、津島神社(須佐之男神)、
田明神社(大年神・御年神・大市比賣神)、山の神(大山祇神)。
『静岡県神社誌』には、以下の社名がある。
大神宮(天照大御神)、豊受大神宮(豊受姫命)、
事代主神社(事代主神)、奥津比古神社(奥津比古命)、
奥津比賣神社(奥津比賣命)、伊造神社(伊雑大神)、
八幡神社(八幡大神)、田明社(不詳)、神后之森神社(不詳)。
境内入口 | 鳥居と拝殿 |
境内 |
拝殿 | 本殿の屋根 |
本殿と三ツ鳥居、鳥居奥に小祠がある |
延喜式内 神神社
−境内案内板− |