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伊香具神社
いかぐじんじゃ
滋賀県長浜市木之本町大音688  Zenrin Data Com Maps display !!


上がり藤

式内社 近江國伊香郡 伊香具神社 名神大
旧県社

御祭神
伊香津臣命

滋賀県長浜市(旧木之本町)にある。
賤ヶ岳の東麓、木之本駅から西へ2Kmほどの大音に鎮座。

8号線から500mほど北にある道路脇に参道入口の鳥居と社号標が立つ。
参道は100m以上あるかもしれない。
参道入口の鳥居は、通常の明神鳥居だが、
境内の入口には、ちょっと変わった鳥居が立っている。
分類としては神明鳥居。
それに、両部鳥居のように稚児柱が付いているが、
これが通常四本のところを、倍の八本。
さらに、鳥居左右に三輪鳥居のように脇鳥居が付いている。
境内の案内では「伊香式鳥居」というらしい。
往古、このあたりは湖沼地であったため、
水辺の不安定な場所で、安定性を確保するための稚児柱と、
神奈備である香具山を祀る形態が三輪に通じるということらしいが。

鳥居の正面には、萱葺の拝殿。
後方に垣に囲まれて本殿があり、左右に境内社がある。
左右の境内社は、天表春神社(天表春命)と天下春神社(天下春命)。

創祀年代は不明。

社伝によれば天武天皇白鳳10年以前であるという。
創立以来、現在地に鎮座し、遷座等の記録は残っていない。

社名の「伊香具」は、「いかぐ」「いかご」とも呼ばれているようだ。

祭神は伊香津臣命
天児屋根命の五世孫(あるいは六代孫)である。
伊香郡に居住した伊香連の祖神であり、伊香連は藤原氏と同祖。
昔、当地が湖沼地であり、田園もなく、
郡や国というものが無い時代、
当地を訪れた祭神が、この地を開拓し、
祭神名に因んで、伊香郡となったという。

香具山の中腹に、奥ノ宮があり、
天児屋根命を祀っているらしい。

境内は鬱蒼とした雰囲気で、深く大きな印象だった。
が、写真が少し寄りすぎで、全体の雰囲気が全然伝わってこない。


参道入口の鳥居

境内入口の鳥居

境内から鳥居

境内

社殿

拝殿

本殿

當社由緒概略
當社の祭神は天児屋根命五世の孫伊香津臣命 にして創立は天武天皇白鳳十年以前なり 古傳に 當社祭神始めてこの地に来たり給ふや 田園未だ開けず國郡と別れず因って子孫に 告げて曰く 吾天児屋根命の命を傳へて皇孫に 侍従久しく宝器を守る 尚この地に止ま りて永く属類を守るべしと 是より号して  伊香郡と言うと蓋し当社の起源古きを知るべ し延喜式名神大社にして往古より伊香大社 を称し実に當郡の総社たり
されば歴代の御叡信篤く特に文武天皇慶雲 二年神地千石を賜ひ清和天皇貞観元年正月従四 位下仝八年閏三月従四位上を授けられ宇多天皇 寛平七年菅原道真公の奉達に依って正一位 勲一等大社大明神の菅公自筆の勅願を賜ひ また管公も當社を崇敬し自ら法華経教光明教を 書して寛蔵に納むと建長三年九月大社の鐘を 鋳し建武三年十一月足利尊氏朱印二百石を 寄せ毎年正五九の祈祷を行ふ この祭今に 傳はる當時の隆盛察するに餘りありといふべし 然るに星霜移りて元亀年中織田信長社領を 没収し天正十一年賤岳の兵火に罹りて祠廟旧記多 く烏有に帰せしも慶長十三年社殿の再建寛永 十三年神宮寺の造営あり正徳年中漸く旧態に 復す 現境内は実に千五百八十七坪にして背後の 香具山には奥の宮天児屋根命鎮座し老樹 鬱茂森森たり明治九年十月郷社仝三十二年 十月縣社に加列す
當社例祭は醍醐天皇昌奉二年初めて四月二十四日に 勅定せられ尓後歴し来りしが旧幕の頃より 四月六日に変更し以て今日に至る

−境内案内板−


由緒
 「伊香」と書いて古くは「いかご」あるいは「いかぐ」と発音しました。ですから万葉集ではこの背後の山すなわち賊ケ岳連山を「伊香山」と書いて「いかご山」と読ませています。そしてその名は古事記に出てくる火の神「 具土の神」の徳を受けられたところからきているようで、そのことはこの社のすぐうしろの山の小字名を「かぐ山」とよび、又摂社に有る「意太神社」の御祭神「迦具土の神」となっていることからも証明されます。それで昔からこの神社は「火伏せの神」「防火の神」としての信者が大変多く、特に火をよく使う商売の人々の間にその霊験は大変あらたかといわれてその加護を祈る人があとをたちません。
 さて伊香具神社の御祭神「伊香津臣命」という神様は、神武天皇に仕えて総理大臣の役を果たされた天児屋根命第七代目の子孫にあたられる位の高い方で後の中臣氏(藤原鎌足らの氏族)らの祖先でもある方です。
 九世紀の後半当神社の神官で伊香津臣命から第十六代目にあたる伊香厚行という人は、中央政府でも活躍され菅原道真公との進交が有りました。菅原道真公は幼小の時この北方にある菅山寺という寺で修業されたこともあってこの伊香具神社を厚く信仰され、自筆の法華経、金光明経を奉納されました。また宇多天皇に申し上げて「正一位勲一等大社大名神」の額を賜りました。そして当時制定された「延喜式」においては大社大名神という高い格を与えられておりました。この「延喜式」に記載された神社を「延喜式内社」とよんでふ古くから信仰の厚かった由緒のある神社とみなされていますが、近江一五五座のうち伊香郡は全国的にみても特に集中して多く当伊香具神社の大社一の他小社四十五座を数えています。
 後に足利尊氏が天下を取った時には特に二百石の領地を捧げ毎年正月、五月、九月の十八日に国内の無事を祈るための祈祷祭を依頼されました。以後祭儀は今も絶えることなく続けられています。

−『平成祭データ』−


社殿の右手には、立派な招魂社があり、
さらに境内の右手に行くと、蓮池と独鈷水がある。

弘法大師が、独鈷によって掘り出した清水が、独鈷水。
伊香の小江(湖沼)に住む大蛇(あるいは悪龍)を退治して
湖を埋め、田を開拓して、独鈷を以って
池を穿ちて、大蛇の霊魂を納めたという。

蓮池は、当時の伊香小江の形状を模した伊香の小江の遺跡だという。

伊香の小江には、白鳥伝説(羽衣伝説)がある。
水浴びに来ていた八羽の白鳥(実は天女)の羽衣を
伊香刀美という猟師が、白い犬を使って隠したため、
帰れなくなった天女は、彼と結婚したという話。
各地に残る羽衣伝説の中でも、最も古い話だという。

産まれた子供が伊香氏の祖であり、
伊香刀美こそ、当社祭神である伊香津臣命であるという説もある。

また、独鈷水を用いて製造した生糸は
光沢があり、弾力性に富む、当地の産業をなっていたという。


蓮池

独鈷水

千三百年前の郡内唯一の大社
伊香具神社の独鈷水と蓮池
 弘仁三年五月(西暦八一二年)空海・弘法 大師がこの地に巡業されて長祈山浄信寺 (今の木之本地蔵院)伊香胡神社に詣し先ず独鈷 (大師の加持祈祷の法具)を以て水淙を 掘り当て清水を得られ昔の治水第一業を 行ない村造りをはじめられた当来独鈷水○○ 神聖なる浄水源として今日に至っている。
 又、蓮池は、神社の前がびわ湖と つらなる伊香胡の入江であった弘法大師が この入江に住む大蛇をこの地に伏せ込めた という伝説があり当時の沼の遺跡がこの 清らかな水を満々とたたえる蓮池である。社前 三輪式の大鳥居は安芸の厳島神社と同じ 形式のもので水の中で安定性のある仕組みで 神社前まで入江であった名残りであるうしろに 賎ケ岳をひかえて山王さんの形式もそなわっている。

−境内案内板−


伊香小江と白鳥伝説
琵琶湖のことを(大江)と云いました。小江とは小さな湖 あるいわ湖沼のことを云います。昔このあたり一帯は 四方を山に囲まれた伊香小江(いかごのおえ)と云う小さ な湖でした。岸にはアシが生い茂る湖沼だったのです。 あるとき八羽の白鳥が飛来し津浦のあたりで水浴びして いるのを西の山で猟をしていた伊香刀美が見て、ひそかに 白い犬を使って羽衣を隠してしまった。羽衣をなくして 天え帰れなくなった天女の一人は伊香刀美と結ばれ二男 二女の子供を設けた。これが伊香連の祖先であるという。 この伊香刀美は伊香具神社の御祭神である伊香津臣命で ある。この話は日本各地に伝わる羽衣伝説のなかでも最 も古い一つである。(「近江風土記」より)
伊香小江は人皇五十二代、嵯峨天皇の時代に弘法大師が 悪龍を退治して伊香小江の水を流し開拓され、このよう に耕地化されたと明音山・千手堂縁記に書かれています。 昔このあたり一帯が湖沼であった証拠に田の底からは 今もアシが掘りだされます。

−社前案内板−


糸とり・絹織物の歴史
繭を紡いで糸とりする技方と絹織物の大音へ伝わった歴史は 古く、人皇十六代・応神天皇の時代三十七年に呉の国より四 人の女工が若狭を経由して渡来してきました。女工は長い船 旅の疲れをこの大音でいやし お礼に糸とりの技方を教えた と伝えられています。その後、伊香具神社の神職伊香厚行 (いかごのあつゆき)は伊香津臣命の子孫で香具山の麓に湧き 出る水(独鈷水)を汲とり、この地で産する生繭を煮て製糸 を試みたところ白く光沢の良い生糸の誕生を見た。厚行は喜 び村人に製方を伝え、伊香津臣命の時代より伊香氏は中央政 権とのつながりもあり、出来上がった生糸を用いて冠の紐や 刀の下緒を作り宮中へ献上したのが大音糸の始まりです。良 質の生糸が生産出来たのは香具山の地下鉱物により軟質の水 が湧くので非常に光沢のある弾力に富んだ生糸が出来たので す。そののち大音糸の評価も世に広く認められ村の産業とし て発展してきました。また、弾力性にも富んでいるので琴や 三絃にも広く使われ、昭和の初めから戦後までは大工の墨糸 水糸・パラシュートの糸・医療糸あるいわラジオのダイヤル 糸にも多く使われてきました。

−社前案内板−

当社から東へ300mの場所に、一ノ宮神社(天之押雲命)というのがある。
伊香具神社摂社の中での一ノ宮ということらしい。
さらに、東の川の側には、一ノ宮神社の御神木である
白樫が、野神として祀られている。


一ノ宮神社

野神


【 伊香具神社 (木之本町) 】

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