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白山神社
しろやまじんじゃ
滋賀県高島市今津町北生見215

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滋賀県今津町(現高島市)にあった。
今津駅から303号線、通称、若狭街道を西へ6Kmほどの北生見に鎮座。
早朝の若狭街道を走って到着し、
神社を探すが、なぜか見当たらなかった。
『式内社調査報告』では、お寺が隣にあると記されているが、
お寺の形跡もない。
付近には民家もなく、通る人も居ないので、
車を停めて、神社らしき場所を探して林の中へ入る。
が、それらしきものは無い、というか何も無い林だけ。
少し歩くと、あちこちに「演習地につき立ち入り禁止」とあった。
生見には、北生見と南生見とがあり、
両方に、白山神社があるらしいので、
南生見へ向かおうと車を走らせ、
脇道に入るが、道路は封鎖され、通行禁止だった。
付近をウロウロとしたが、結局、
303号線沿いの公衆電話の横に、
「白山神社神饌田」という石碑を発見しただけだった。
その後、今津警察に行って、このことを尋ねたところ、
北生見と南生見は、自衛隊の演習地となり、
国有地となったため、住民は全て、弘川地区へ移転したとのこと。
社地近くの神饌田の石碑と明治32年3月建立の利水紀念碑 利水しても村が無くなったのでは意味が無いぞ。 |
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創祀年代は不詳。
社伝によると、嘉祥年間の勧請という。
式内・小海神社の論社だが、有力なものではない。
北生見(きたうみ)が、小海(こうみ)の音に似ているのが根拠。
当社の特殊神事に、「シイラ祭」という祭があった。
小浜で捕れたシイラが奉納され、古式に則って料理する祭。
滋賀県の無形民俗文化財に指定されていたが、
移転のため、平成4年を最後に無くなってしまった。
若狭街道沿いにある小さな地区で、
日本海で捕れた魚を捌く神事(民俗文化財)が、
消滅してしまったのだ。
帰宅後に、ネットで調べたところ、
北生見と南生見の移転は、平成4・5年頃、
10年以上も前のことだったようだ。
両地区の白山神社は、
弘川の阿志都弥神社・行過天満宮の境内に移されたようだ。
当社が、式内・小海神社であるかどうかわからないが、
一つ、日本の民俗が消えてしまったと思うと、
少し、凹む。
周囲は、陸上自衛隊の演習地になっていたが、
今津の神社を参拝して、山麓付近を歩いていると、
時折、大きな爆音がする。
『滋賀県神社誌』によると、当社の神紋は三つ巴紋だったようだ。
移転先の阿志都弥神社・行過天満宮境内の白山神社。
二本の社号標は、北生見と南生見のものだろうか。
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