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春日神社
かすがじんじゃ
滋賀県長浜市余呉町小原333
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滋賀県長浜市(旧余呉町)にあった。
余呉湖から3Kmほど東へ進むと高時川があるが、
その高時川に沿って約7Kmほど北上した小原にあるはずだった。
下丹生、上丹生を過ぎ、菅並へ入ると、
川の向こうに六所神社の鳥居が見える。
が、橋を渡り、六所神社の横に着いた所で、
なんと、道路は通行止めだった。
路肩欠損と落石のため、2004年11月30日まで、
これより北へは、車で行くことが出来ないようだ。
そこから、小原まで、地図で見ると3Kmほどの距離がある。
諦めて戻ろうと、Uターンしかけたが、
今度、いつ参拝できるかわからない、と思い直し、
六所神社に車を停めて歩き出した。
高時川周囲には、巨石や立派な木々が多く、
川沿いの道は非常に歩きやすく、気持ち良い。が、暑い。
菅並の六所神社 | 高時川の巨石と木 |
3Kmほど歩いたところに橋があり、
看板というか、案内が出ていたのだが、
なんと、この地は、丹生ダムの予定地になっており、
現在、向っている小原は、まさにそのダムに沈む地域。
なにやら、嫌な予感がしたので、先を急ぎ、
地図を見ながら、「このあたりに・・・」と
周囲を見ると、何も無い。
昔、井戸か何かがあったような痕跡があるが、
道路から入る道は雑草に覆われ、見渡しても藪だけ。
少し奥まで入ってみたが、何も無いのだ。
仕方が無いので、500mほど北にある田戸に向って見た。
そこにも春日神社が一つあるはず。
途中、一台の軽トラックが通りがかった。
通行止めの道なので、多分、地元の許可車に違いない。
手を上げて車を止め、小原のこと、春日神社のことを聞いてみた。
小原と、その上流の田戸には、それぞれ春日神社があったが、
ダム建設のため、周囲の住民全てが、東野地区へ移転したため、
神社も何も、残って居ないということだ。
さきほど見た井戸の痕跡は、小原だった場所の跡だった。
林の中に石垣跡などがあった |
小原の500m手前にあったダム建設の案内 丹生ダム予定地 |
創祀年代や由緒は不明。
『式内社調査報告』では、
式内・多太神社は、現在、不明としながら、
小原の春日神社が、以前は、多太野神社と称していたことを、
参考に記している。
住民全部が、平成7年頃に、東野地区へ移転したので、
その後、東野の神社に合祀、あるいは境内社として遷座したのだろうか。
もう、10年近く前の話だから、雑草に覆われてしまうのも仕方が無い。
参拝日の前日にも、無くなっていた今津の白山神社を探して歩いた。
どっと、疲れが出たが、軽トラックの運転手にお礼を言って、
来た道を歩き出した。
軽トラックの運転手は、なにか言いたそうな顔をしていたが、
軽く会釈して、発進して行った。
トラックを見送りながら、「あっ、乗せてもらえば良かった」
と、思った時には、トラックはコーナーを曲がって消えた。
来た道を、汗をかきながら歩く。
途中、崖から清水が流れ、小さな滝になっていたので、
顔を洗い、口を湿らせて、ひたすらに歩く。
高時川の西側に、広くて新しい道路が出来つつあり、
一般車は、まだ通行が出来ないようだ。
それも、ダム建設に伴う工事なんだろう。
今、歩いているこの道も、いずれ、ダムに沈んでしまうのだろう。