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玉依神社
たまよりじんじゃ
京都府亀岡市東別院町湯谷岳山78
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式内社 丹波國桑田郡 神野神社 |
京都府亀岡市にある。
亀岡駅の南西14〜15Kmほどの東別院町湯谷に鎮座。
大阪府との県境に近い湯谷ケ岳(622.4m)の南東。
集落の奥に境内がある。
集会所の近く、道路に面して参道入口があり、
階段を登ると灯籠が二本立っており、
灯籠の右脇に「玉依神社」と刻まれた小さな社号標。
参道を進むと、京都らしい竹林の参道に鳥居があり、
さらに参道を緩やかに登って行くと広い場所に出る。
そこからさらに苔の参道階段を上って行くと当社社殿。
拝殿はなく、本殿に覆屋根を設置しただけのもの。
本殿は立派な流造。
周囲は鬱蒼と茂る森で、曇天のせいか、やや暗い境内。
本殿前に提灯をぶら下げる提灯台が二つあるが、
夜の境内に提灯だけが光ってたら、ちょっと怪しい雰囲気かもしれない。
などと考えながらの参拝。
京都府と大阪府の県境にあり、
京都からも大阪からも遠い集落の奥にある神社で
境内の様相も、遠い地にある神域といった印象だった。
残念ながら、当社に関する由緒等の情報は未入手。
式内社調査報告によると、『特選神名帳』に
式内社・神野神社の論社として記されているらしい。
京都下鴨神社の御祭神で、
日向国曽の峰に降臨した賀茂建角身命は、
神武天皇を先導して大和の葛木山に宿り、
さらに山代国岡田の賀茂に移り、その後、久我国の北山基に鎮座。
丹波国神野の神伊可古夜日売を娶り、
玉依日子・玉依日売が生まれた。
玉依姫命(玉依日売)を祭神とする当社が、
この「丹波国神野」の社、式内社・神野神社ということだろうか。
ただし、玉依日売という神名は古典にしばしば登場し、
上記の賀茂神社縁起の玉依日売とは別に、
三輪の大物主神の妻となる活玉依毘売や、
記紀に登場する海神、
鸕鷀草葺不合尊の叔母であり養母であり妃でもある玉依姫命。
当社は、鸕鷀草葺不合尊と共に祀られており
神武天皇の母神であって、下鴨の玉依日売とは別の神なのかもしれないが、
丹波国鎮座の当社は海から遠く、
本来は海神ではなく、下鴨の玉依日売であった可能性は高い。
ひょっとすると後世、記紀の玉依姫命と混同、交換されたのかもしれない。
本殿の左右に境内社が祀られているが詳細は不明。
唯一、参道の境内社にのみ水神社と名前が記されていた。
本殿の背後は巨大な岩だが、磐座なのだろうか。
その岩の前の境内社は、扉だけの構造だったので
この岩を祀ったものなのかもしれない。
参道入口 | 参道 |
鳥居 |
階段上に広い場所 | さらに階段 |
境内社殿 |
境内社・水神社 | 本殿 |
本殿左の境内社 | 本殿右の境内社 |
本殿背後の岩の前に、扉だけの境内社 |