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大歳神社
おおとしじんじゃ
兵庫県美方郡新温泉町居組字宮ノ前615
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兵庫県の新温泉町(旧浜坂町)にある。
山陰本線・居組駅の北1Kmほどの居組に鎮座。
昔は、社名に因んで大歳庄と呼ばれていたらしい。
鳥取県との県境に近く、兵庫県のはずれ。
結川の河口部近く、結川に面して広い空き地があり、
その東奥、山の麓に境内がある。
この空き地は平成十五年に閉校された居組小学校の校庭らしい。
参拝した日には、左手後方、山の斜面では治山工事の最中。
快晴の青空の下、むき出しの赤土の斜面が鮮やか、
というか何だか痛々しい印象だったのを覚えている。
境内入口に石鳥居が建ち、
鳥居脇には『縣社大歳神社』と刻まれた社号標。
階段を上ると正面に社殿があり、
銅板葺拝殿の後方に流造の本殿が鎮座。
雪除けのためか、本殿の側面はトタンで覆われていた。
さすがに町指定文化財になっている社叢で
立派な古木も多く、鮮やかな緑の境内だ。
社伝によると、貞観三年(861)の創祀。
さらに、貞観十三年四月三日、従五位下を授けられたらしいが
貞観年間の神階の記録である三代実録には
当社のことは記載されておらず、「石見国」の大歳神に授けられている。
よって、神階の件は、多分間違いなのだろうと思う。
式内社・大歳神社に比定されている古社。
もともと居組集落は、現在地の南、JR線辺りにあったらしく、
集落とともに当社も遷座。
小字宮ノ原という公有地が旧社地であったらしい。
遷座の時期は、当社本殿が再建された永享の頃(1430頃)と考えられている。
例祭には、県指定無形文化財である麒麟獅子舞が奉納されるらしい。
明治六年村社に列し、明治七年郷社に、大正十三年県社に昇格した。
当社の事を調べていて、兵庫県に大歳神社が多いことに気付いた。
試しに『平成祭データ』で調べると、
大歳・大年という社号を持つ神社は全国に734社。
その中で、兵庫県には448社と異常に多いのだ。
因みに、広島(108社)、島根(55社)、山口(38社)、
大分(18社)、福岡(13社)、岡山(10社)で、
その他の県には10社未満しか存在せず、東日本にはほとんどない。
山陰道・山陽道に分布する神社なのだ。
境内左手に正八幡宮と石祠。
右手に祠と猿田彦大神と刻まれた石碑が建っている。
境内社に関して『式内社調査報告』には
往還町より移転した八幡神社、
石造で、当地の開拓神(大山祇神)を祀る切別神社、
稲荷神社、三柱神社、宇賀神社、鶴宮神社の名が記されている。
社域 |
鳥居 | 境内社殿 |
境内 |
正八幡宮と社殿 | 石祠と正八幡宮 |
正八幡宮 | 本殿と猿田彦大神 |
大歳神社
毎年10月9日の例祭日には、家内安全・ 無病息災を願って麒麟獅子舞が奉納される。 また、神社の境内には、シイ・ツバキ・タブ ノキの古木を中心に、ケヤキ・ヤブニッケイ・ モチノキ・ヤマザクラ・ヒメユズリハなどの 貴重な樹木が多く茂っている。 −社頭案内板− |