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加夜奈留美命神社
かやなるみのみことじんじゃ
奈良県高市郡明日香村大字栢森字堂ノ上358
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式内社 大和國高市郡 加夜奈留美命神社 |
奈良県の明日香村にある。
有名な石舞台から15号線を東南へ。
柏森(かやのもり)の集落の中にある。
坂道を上ると、左手に境内が見えてくる。
拝殿奥、垣の中に本殿があり、
垣の外の左右に境内社がある。
創祀年代は不詳。
『出雲國造神賀詞』に、
「賀夜奈流美命乃御魂乎飛鳥乃神奈備尓坐天
皇孫命能近守神登貢置天」
飛鳥の神奈備に坐て、皇孫を守護した神。
天長六年(829)、飛鳥神奈備が、鳥形山に移り飛鳥坐神社となっても、
その本霊は、当地に残ったと考えられている。
江戸時代には葛神と呼ばれていたが、
「大和志」が式内社にあて、以後式内社として現社名で呼ばれる。
飛鳥から小原・東山を経て多武峯に登る小道の側にある天神社跡が
当社の古社地という説もあるらしい。
境内末社の九頭神社(葛神社)は式内社・瀧本神社の候補だが、
本殿瑞垣の左右に祠があり、どれがどれかは分からなかった。
資料によると境内社は、八幡社と葛神社らしい。
『奈良県史』には、加夜奈留美命神社の「右後方隅」とあるが
向かって右なのか、社殿から見て右なのかが分からない。残念。
雰囲気としては、向かって右だと思うのだが、未確認なのだ。
稲淵川源流近くの葛神社の旧社地を古宮といい、滝のそばにあるので
式内社・滝本神社の祭祀を継承したものと考えられているらしい。
境内 |
社号標 | 拝殿 | 拝殿扁額 |
本殿 |
本殿 | 本殿 |
本殿左の小祠 | 拝殿内の扁額 | 本殿右の小祠 |
加夜奈留美命神社 柏森(かやのもり)の集落北東の小高い森に鎮座。社前を稲 淵川が流れる。祭神は加夜奈留美命。旧村社。 江戸時代には葛神と称したが、カヤノモリ とカヤナルミが類似するため、「大和志」が「延 喜式」神名帳の高市郡「加夜奈留美命神社」にあ て、以後式内社に治定されている。加夜奈留美 命は飛鳥の神奈備に坐して、皇孫の守護をした 神で(「延喜式」出雲国造神賀詞)、「五郡神社記」や 「大神分身類社鈔」は高照姫命のこととする。 「延喜交替式」「類聚三代格」には「賀屋鳴比女」と も記し、天太玉神・櫛玉神・臼滝神とともに飛 鳥神の裔神とみえる(貞観一〇年六月二八日「太政 官符」類聚三代格)。「三代実録」貞観元年(八五九、 天安三年)正月二七日条に大和国従五位下賀夜奈 流美神に正四位下を授けたとあり、四裔神のな かでは最の神位が高い。飛鳥神奈備は天長六年 (八二九)鳥形山(現明日香村飛鳥)に移されたが、 その後も賀夜奈留美神の本霊は旧地にとどまっ たものと考えられている。 −『大和・紀伊 寺院神社事典』− |
【 加夜奈留美命神社 】