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生野神社
いくのじんじゃ
京都府福知山市三俣531
大江山 生野のみちの遠ければ まだふみもせず 天の橋立
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式内社 丹波國天田郡 生野神社 |
京都府福知山市にある。
福知山駅の南西12Kmほどの三俣に鎮座。
9号線を南西へ進み、舞鶴若狭自動車道を越えて3Kmほど。
9号線から少し北へ入った場所、小学校の北に、南向きの境内がある。
境内入口、鳥居の右手に「式内生野神社」と刻まれた社号標があり
鳥居の左手に、由緒を記した案内板。
鳥居をくぐると、左手に手水舎があり、
境内奥、少し高くなっている場所に社殿がある。
階段を上ると、向拝庇が長くのびた入母屋造の拝殿。
拝殿の後方に流造の本殿がある。
参拝は炎天下の夏の休日。
暑さにボーっとしながらの参拝だった。
創祀年代は不詳。
式内社・生野神社に比定される古社だが、
中世における当社の記録は残っていない。
「生野」の社号は、
生野庄の惣社であったことから名づけられたらしく
生野庄は、
「大江山生野のみちの遠ければまだふみもせず天の橋立」
で有名な地。山陰道の宿場のあった場所だという。
昔は、背後の山上に鎮座していたが、
往来の武士に祟りがあると、山麓に遷座され、
元禄年間以来は、御幣大明神と称されていた神社。
由緒書には、「御幣(みてぐら)」の名は、
綾部藩主九鬼氏が、生野に倉庫を建てて上納米を取立て、
当社へ御供米を奉献していたからとある。
個人的には、山上の社を遥拝する里宮に、
御幣が祀られていたのではないかと思うのだが。
祭神は天鈿女命。歌舞音曲の神であるとともに
天孫瓊々杵尊の天降りにおいて
立ち塞がった猿田彦神を懐柔し、道中無事であったことから
旅行道中の守護神としても崇敬され、
山陰道を通って参勤交代する各大名は、必ず参拝して
道中の安全を祈願したとか。
古社地である裏山には、雄岩、雌岩という岩があると伝えられ
ひょっとすると猿田彦神も祀られていたのかもしれないが未確認。
また、『丹波志』には、
鎮座地の東の集落に雲田という地があり
御祭神が天降った古跡であるとあり、
天降る時には、紅簾の牛に乗って、座って来たと。
生野庄は、六部(むとべ)郷の六人部(むとべ)村に属しており
『式内社の研究』によると、
六人部村の西にある杉山山上には数基の古墳があるとあり、
さらに朝鮮の巫女をムーダンというとあり、
古代の当社祭祀との関連を示唆する記述がある。
祭神・天鈿女命は、古代の巫女だったのかもしれない。
境内には、幾つかの境内社がある。
社殿の右手には、皇太神宮、神明社、八幡社。
左手には、猿田彦社、稲荷社、武大神。
他にも、西宮社や大原社なども祀られている。
社頭 |
境内 | 社殿 |
社殿 |
社殿左の境内社 猿田彦社、稲荷社・武大神 | 社殿右の境内社 皇太神宮、神明社、八幡社 |
本殿 背後に大岩? |
大原社 | 逆光の西宮社 |
福知山の名木 ケヤキ |
−社頭由緒板− |